昔、日本のどこの学校にも「学芸会」と呼ばれる学校行事がありました。時代が進む中で、「学芸会」は「学習発表会」や「文化祭」等に名前を変え、ついには行事の精選でなくしてしまった学校もあります。ふと、一体誰のための、何のための行事だったのかと思います。カラカス日本人学校では、創立当時から「学習発表会」として、この学校行事は脈々と引き継がれています。その雰囲気は、昔の「学芸会」そのものなのです。それは、こどもたちと観客とで創り上げる温かい血の通った行事なのです。こどもたちは、日頃の学習の成果を劇やプレゼン、合唱や合奏にして観客に届けます。誰一人、恥ずかしがることなく、堂々とした発表ぶりです。観客は、温かい眼差しでそれを見、大きな拍手を送ります。海外にある学校の行事なのに、どこか懐かしい、「村の学芸会」のような雰囲気が漂っています。不思議なことです。時代がどれだけ進んでも、なくしてはならないものがあります。まさに、カラカス日本人学校の学習発表会はそれです。